制作決定!スペシャル対談

岸誠二(監督)×上江洲誠(シリーズ構成)

前代未聞の原作完全再現!

――どのような経緯でアニメ化が決まったのでしょうか?
上江洲「アニメ化のお話をいただく前からゲームはプレイ済みだったんですよね」
岸「そうそう。俺、仲間が面白いって薦めてくれたゲームはなんでもやるよ」
上江洲「ゲーム戦士(ゲームセンターあらし的表現)ですからね」
岸「CP(カーニバル・ファンタズム※)作ってる時に、皆に勧められて、そしたらまあハマった。これは面白い!」
上江洲「CPの次はこれだよってプロデューサーが企画書を持ってきた時はよしきた!って思いました」
岸「このチームでやる以上はぶっ飛んだ物じゃないといけないしね。まさに!といった作品」
上江洲「もの凄くエッジが効いたアドベンチャーゲームですよね。テレビアニメに出来ると思いました? 凄惨な展開も多いし、何より物語がかなり複雑」
岸「何が来たってアニメ化出来るよ。でも大事なのは、どう成立させるかって事。どういう作り方をしたら、原作ファンも初見のお客さんも皆が満足出来る物になるかって事」
上江洲「で、選んだ作り方が……」
岸「そのまんまやってやんよ!って事。ゲーム演出を完全再現!」
上江洲「ロンパシーンも、クライマックス推理も……?(ゴクリ)」
岸「まんまアニメで再現。前代未聞の誰も見た事がないテレビアニメになるぞ!(カッ)」
上江洲「おしおき……処刑シーンも……!?(ゴクリ)」
岸「変更するわけない。原作のあれだけ出来の良いシーンを変えるなんてあり得ない。あれ出来ないのならそもそもアニメ化決めないでくださいよねって話。ゲームのまんまマジで映像化しようなんて思うのは俺達だけ!」
上江洲「スタッフが全員ゲーマーで原作ファンですからね。誰も原作と違う物になんかしたくないと思っている」
岸「このチームじゃなければ為し得ない作品だ」
上江洲「でも、いつもの事ですが、尺という魔物には悩まされますよね。一回の放送で30分しかないわけですよ。この世の摂理を変えない限り無理」
岸「そこはほれ、君がなんとかしてくれるだろ?」
上江洲「脚本は一言一句もうこれ以上は削れないって所から、更に絞り込まないといけない。この減量は今まで一番ハード」
岸「世界戦に臨むボクサーとトレーナーの気分。汗一滴まで絞って減量。でも、原作と変わって無いように見せますよ」

絶望の先にある希望

上江洲「高校生がコロシ合いをしなければならなくなるという超ハードな物語ですが。そこはどう捉えていますか?」
岸「一昨年の3.11を経て、我々はリアルな絶望を体験してしまっている。それは今この瞬間もここにある絶望です。そんな現在で、我々エンタメ屋が出来る事は「希望」を謳い続ける事ではないか? ダンガンロンパはそれが出来るし、元々そうなっているよ」
上江洲「確かに。ダンガンロンパは一見恐ろしい物語ですが、実はその先にある「希望」についての物語です。そこを間違えないように作り、伝える事が絶対ですね」
岸「でなければ俺達の仕事は意味が無い」
上江洲「いたずらに残酷描写を玩具にしない」
岸「テーマやメッセージ性の無い話はつまらないしね。ノリだけの悪ふざけは「で、何」って思うマジで」
上江洲「やり方は千差万別だけど、人に希望を与える事がエンタメ屋の使命だと思いたい」
岸「当然!」

ダンガンロンパをアニメ化出来るのは俺達だけだ!

――アニメを楽しみにしているファンにメッセージを
上江洲「テレビアニメとしては不思議な作品になるんじゃないかな? でもこれこそがダンガンロンパだと言う物になっています」
岸「行儀良くありがちな物を作るつもりはさらさらないですね。サイコでポップなゲームを、サイコでポップなアニメにします」
上江洲「アニメ凶器の誕生ですね」
岸「今までのテレビでは見たことも無い作品になりますね」
上江洲「脚本も、原作の小高和剛さんに完全監修してもらっています。今回も原作者とがっつり組んでいるんじゃないかな」
岸「全方位に抜かりなし。そして決して油断しない。大胆な作品を丁寧に作っています」
上江洲「手応えあります!」
岸「他のどこでもこんな作り方は出来ないよ。今日まで築き上げてきたこの仲間だからこそのクオリティだよ。他でこれが出来るものならやってみろ!」
岸・上江洲「ダンガンロンパをアニメ化出来るのは俺達だけだ!」

※カーニバル・ファンタズム…TYPE MOON10周年記念作品。作品の枠を越えて、人気キャラ達が共演するギャグアニメ。全三巻のOVAとして発売された。ラルケ制作。スタッフがほぼほぼアニメダンガンロンパと同じである。

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