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アート性、作家性、実験性の高いユニークなアニメーションを、世界各国から選りすぐってご紹介する、
ジェネオンのアニメーションのシリーズ。   

ザグレブ・フィルム

ザグレブ・フィルム作品集

Zagreb Film Film Works

本編152分
GNBA-3028 ¥6,090(税込)
2006年7月21日発売
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プロフィール

旧ユーゴスラヴィア、現在のクロアチアの首都ザグレブに誕生したアニメーション・スタジオ。第二次世界大戦後、1950年代にアニメーションに意欲的な新聞マンガ家や画家、風刺雑誌編集者が集まり作品制作をスタートした。1956年にドゥシャン・ヴコティチの作品が映画祭で受賞をしたのをきっかけに、アニメーション専門のスタジオが設立された。
設立以来、600以上のアニメーション作品を制作しており、世界中の映画祭で400以上の驚異的な数の賞を受賞している。特にアカデミー賞では、1962年にヴコティチ監督の「代用品」が最優秀アニメーション賞を受賞、史上初めてアメリカ以外の国が製作した作品が受賞する快挙となった。
不安定な政治と経済状況の中で、苦しい制作体制のもと生み出された作品群は、斬新かつモダンで、グラフィックセンスに溢れた独自の表現から「ザグレブ派」として尊称されアニメーション史に名を刻み、世界のアニメーション界に多大な影響を与え、今なお世界中のファンを魅了してやまない。
なおザグレブでは、世界屈指の国際アニメーション・フェスティバルが毎年開催されている。

作品解説

machinegun

銀行ギャング

Concert For Machine Gun

1958年作品

ドゥシャン・ヴコティチ脚本・監督作品。ギャング映画のパロディであり、アニメーションのおもしろさが画面のすみずみまで溢れている。その卓越した表現は、グラフィカルでモダンでリズミカルでスタイリィッシュであり、ザグレブ・フィルムとヴコティチの存在を世界に知らしめた傑作。

samac

孤独

Samac

1958年作品

ヴァトロスラヴ・ミミツァ監督作品。真面目なサラリーマンが煩雑な日常の中で少しづつ人間性を失い、愛する人さえも信じられなくなり、自分の殻の中に閉じこもって妄想にふけるが、、、。
1959年ヴェニス映画祭にて受賞。

piccolo

ピッコロ

Piccolo

1959年作品

ドゥシャン・ヴコティチ脚本・監督作品。仲の良い愛すべき隣人が、ささいなことで大ゲンカ。やがて争いはエスカレートするばかり。2人の友情は、音の洪水にかき消されのみ込まれて行く。

moon

月世界の牛

The Cow On The Moon

1959年作品

ドゥシャン・ヴコティチ監督作品。ザグレブ・フィルム初期傑作のひとつ。いたずら好きの少女が友達の少年をまんまとだまして、ロケットに乗せ月世界に到着したと信じこませようとする。月に着いた少年は、地球ソックリな風景と牛に驚く!
1960年にサンフランシスコ映画祭、アヌシー映画祭、モンテビデオ祭にて受賞。

surogat

代用品

Surogat

1961年作品

ドゥシャン・ヴコティチ監督作品。すべてが作り物の島で、休暇を楽しむ男がいた。男は快適さを満喫するが、、、。人工の世界で生活する人間を風刺した異色作。斬新なデザインワークは、パウル・クレーの世界を彷彿とさせて興味深い。 1961年アカデミー賞、オーバーハウゼン画祭、メルボルン映画祭、フィラデルフィア映画祭、プラハ映画祭、サンフランシスコ映画祭、ザグレブ映画祭にて受賞。

theplay

戦争ごっこ

The Play

1963年作品

ドゥシャン・ヴコティチ監督作品。実写とアニメーションのコラボレート作品。男の子と女の子がお絵かきを楽しんでいるが、やがてケンカが始まり、子供たちが描いた絵が戦争を始める。子供の無邪気さと残酷さの中に、戦争の愚かさと滑稽さを描いた傑作。

wowy

ワン・ワン

Wow‐wowy

1964年作品

ボリス・コラール脚本・監督作品。シンプルにデザインされた犬たちと猫たちが織りなす、究極のグラフィック・アニメーション。キレのいいアニメートとメタモルフォーゼと奇抜なサウンドが、見事に融和したキュートでオシャレな作品。

elegy

エレジー

Elegy

1965年作品

ネデリコ・ドラギッチ監督作品。囚人の楽しみは、牢獄の窓の鉄格子の間から赤い花を観察すること!清らかに咲く花は、囚人の生きがいになるが、、、。
1966年にヴェニス映画祭、フィラデルフィア映画祭にて受賞。

thefly

ハエ

The Fly

1966年作品

アレクサンドル・マルクス、ウラディミル・ユトリシャ共同監督作品。1人の男と1匹のハエが紡ぐ不条理な物語。静かに迫る不安と恐怖はやがて世界を包みこんで行く。
1967年にニューヨーク映画祭、ロンドン映画祭、オーバーハウゼン映画祭、アカプルコ映画祭、1968年にシカゴ映画祭、1969年にザグレブ市賞、1982年にシッチェス映画祭で受賞。

krek

ケロケロ!

Krek

1967年作品

ボリヴォイ・ドヴニコヴィチ=ボルド監督作品。新入りの兵隊マックは、ペットのカエルを連れて軍隊に入隊する。あきれた上官の軍曹はカエルを追い出して、マックを模範的な兵士に鍛え直そうと努力するが、、、。
1968年にベルリン映画祭にて受賞。

reddeath

赤き死の仮面

Masque Of The Red Death

1969年作品

パヴィオ・シュタルテル、ブランコ・ラニトヴィチ共同監督作品。エドガー・アラン・ポーの小説が原作。町では疫病が蔓延しているにも関わらず、プロスペロ伯爵の城の中では相変わらず享楽的で退廃的な日常が繰り広げられていた。疫病の恐怖はさらに広がりを見せる。油絵調の重厚な画面作りは、怪奇と幻想の物語を一層引き立てる。
1971年にアヌシー映画祭、ニューヨーク映画祭、ロンドン映画祭、世界アニメーション大会、1972年にアトランタ映画祭で受賞。

thecat

The Cat

1971年作品

ズラトコ・ボウレク監督作品。原作はイソップ物語。家の前で野良猫を拾った男は、すぐに猫と親友になる。サイケデリックでポップなイメージが、サウンドの中でメタモルフォーゼしてはじける。

maxicat

マキシ・キャット

Maxi Cat

1972年作品

ズラトコ・グルギッチ監督作品。マキシ・キャットの優雅で愉快な日常を描いた超短編。子供から大人まで愛されていて、旧ユーゴ時代から25年以上も続いているザグレブ・フィルムの人気キャラクター・アニメーション・シリーズより、3つのエピソードを収録。

diary

日記

Diary

1974年作品

ネデリコ・ドラギッチ監督作品。日記は生きてきた証明。日記の中では人々の記憶と思い出がめくるめく交差して、様々な感情がからみあいながら時間を刻んで行く。ソウル・スタインバーグ調の線画が魅力的である。
1974年にザグレブ映画祭グランプリ、1975年にシカゴ映画祭、オーバーハウゼン映画祭、ザグレブ市賞を受賞。

insideoutside

内側と外側

Inside and Out

1977年作品

ヨシュコ・マルシッチ監督作品。人はみな自由な羽根を持ち大空を飛び回る夢を持っている。しかし皮肉にも現実は、、、。管理社会を風刺した作品。モノクロの線画調の画面が、得も言われぬほど美しい。

dreamdoll

夢みる人形

Dream Doll

1979年作品

ズラトコ・グルギッチ監督と、イギリスアニメーション界の巨匠ボブ・ゴトフレイの共同監督作品。ある男と魅惑的な人形の夢みるような日々。大人のメルヘンを描いた異色作。
1979年にアカデミー賞と英国アカデミー賞にノミネート、ヴァルナ映画祭にて受賞。

neighbor

お出かけ!!

Way To Your Neighbor

1982年作品

ネデリコ・ドラギッチ監督作品。兵隊さんが最高のオシャレをして、マイカーでお出かけするその先は?!旧ユーゴの不安な政治状況を風刺で笑い飛ばす快作。
1982年にシカゴ映画祭、ザグレブ映画祭、リリー映画祭にて受賞。

paranoia

パラノイア

Paranoia

1992年作品

ゴラン・スジェカ監督作品。都会の片隅で生きる青年が、突然何かに追いかけられるように部屋に逃げ込む。しかし逃げても逃げても追っ手から逃れることはできない。青年は迫り来る影の恐怖におびえる。グラフィカルな光と影のコントラストの作画が印象的な作品。

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